ChatGPTの自動切り替えが廃止──じっくり考えさせたい時は自分で選ぶ

OpenAIが米国時間2026年9月14日のリリースノートで、ChatGPT Plus・Proにおける「InstantからThinking(推論)への自動切り替え」を廃止すると告知しました。これまでは難しい質問を投げると、ChatGPTが自分で判断して考えるモードに切り替わっていました。今後は時間をかけて考えてほしい時に、使う側が選ぶ形になります。何が変わり、業務のどこに影響するかを見ていきます。
何が変わったか
ChatGPTには、すぐ答える「Instant」と、時間をかけて筋道を立てて答える「Thinking(推論)」があります。これまでは質問の難しさに応じてChatGPT側が自動で切り替えていましたが、Plus・ProではInstantからThinkingへの自動切り替えが廃止されました。
- ●対象は ChatGPT Plus と Pro の2プラン。OpenAIは「globally(全世界)」と書いており、日本のPlus・Proも対象になります
- ●Web版からは「Higher intelligence」の設定項目も削除(同じ2プランが対象)
- ●時間をかけて考えさせたい時は、モデルピッカー(モデルを選ぶ表示)から該当するオプションを自分で選ぶ
- ●安全上の理由による自動切り替えは、引き続き行われるとしています
無料プランやGo、Business・Enterpriseなど他のプランがどうなるかは、今回の告知文には書かれていません。発表で名指しされているのはPlusとProだけです。
業務側から見ると、変わったのは「誰が判断するか」です。これまでは難しい質問かどうかをChatGPTが判断していました。今後は深く考えさせるかどうかを、使う人が毎回決めることになります。
業務での使いどころ
ふだんのメール文案・言い換え・要約のような仕事は、Instantのままで支障ありません。むしろ余計に待たされなくなります。一方、判断や比較がからむ仕事は、意識して切り替えないと「浅い答えのまま返ってくる」ことが起こり得ます。
- ●切り替えなくてよい仕事:メールの下書き、言い換え、誤字チェック、短い要約、定型の言い回し作り
- ●切り替えを検討する仕事:複数案の比較検討、見積もりや契約条件の突き合わせ、手順書の抜け漏れ探し、長い資料を読んだうえでの判断
- ●切り替えても人の確認が要る仕事:金額・日付・固有名詞が絡むもの(モードに関係なく確認は残す)
- 1ChatGPTを開き、モデル名が表示されている箇所(モデルピッカー)を押す。表示位置は画面や端末によって異なります
- 2時間をかけて考えるオプション(推論に対応したもの)を選ぶ
- 3そのうえで質問を送る
- 4ふだんの短い作業に戻る時は、元の設定に戻す
もう1つの手は、プロンプト側で「急がず順番に検討して」と手順を指定してしまうことです。モードの選択とは別の話ですが、答えの雑さはこれでもかなり減ります。
次の条件で選択肢を比較し、結論を出してください。急がず、下の手順どおりに検討してください。 【前提】 (自社の状況と制約を書く。例:社員15名、予算は年間◯円まで、来月から運用開始) 【比較したい選択肢】 1. 2. 3. 【検討の手順】 1. 選択肢ごとに、費用・手間・リスクを箇条書きで挙げる 2. 前提に合わないものがあれば、理由を書いて除外する 3. 残った選択肢を比較し、おすすめを1つ選ぶ 4. その結論が変わる条件(何がどうなったら別の答えになるか)を書く ・前提に書いていないことを、事実として断定しないでください ・判断材料が足りない点は[要確認]と書いてください
試すときに気をつけること
設定から「Higher intelligence」が消えていても、==アカウントの不具合ではありません==
Web版のPlus・Proからこの設定項目を削除する、とOpenAI自身が告知しています。設定を探しても見つからないのは仕様変更によるものです。なお、こうした変更は順次反映されることがあり、告知の直後はまだ以前の表示が残っている場合もあります。ミーネクストの日本のアカウントで実際の画面を確認したうえで書いた記事ではないため、画面の見え方は各自の環境でご確認ください。
- ●これまで自動で切り替わっていた前提で手順書や社内マニュアルを作っている場合は、「深く考えさせたい時は自分で選ぶ」の一文を足す
- ●同じ質問をしても以前より答えが浅く感じる時は、モードを選び直してから比べる
- ●Thinking系の利用には各プランごとの上限があります。上限の数え方は変更される場合があるため、公式のヘルプで最新の記載を確認してください
今回の変更は機能追加ではなく、判断の手間が人の側に戻ってきたという話です。社内で「AIの答えが急に雑になった」という声が出たら、まずモードの選択を疑うと切り分けが早くなります。
出典
- OpenAI Help Center「ChatGPT — Release Notes」(2026年9月14日)
- OpenAI Help Center「ChatGPT — リリースノート」(2026年9月14日)
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