Gemini 3.6 Flash登場、同じ答えを短い文章で返すようになった

Googleが2026年7月21日、Gemini の新モデル3種を同時に発表しました。主力の「Gemini 3.6 Flash」は、前世代の 3.5 Flash と比べて出力トークンが17%少なくなっています。答えの質を落とさずに、返ってくる文章そのものが短くなったということです。あわせて、次期モデル「Gemini 4」の事前学習を開始したことも明らかにしました。
何が変わったか
発表されたのは3モデルです。主力となる「Gemini 3.6 Flash」、軽量・低価格の「Gemini 3.5 Flash-Lite」、そしてセキュリティ用途に限定した「Gemini 3.5 Flash Cyber」。バージョン番号が3.6と3.5で混在しているので、名前を取り違えないよう注意してください。
- ●Gemini 3.6 Flash — 前世代 3.5 Flash より出力トークンを17%削減(Artificial Analysis Index 基準)。コーディング用のDeepSWEベンチマークでは最大65%減
- ●料金は100万トークンあたり入力1.50ドル/出力7.50ドル。3.5 Flash より出力の単価が下がった
- ●知識の更新は2026年3月まで(一部の領域は2025年1月まで)
- ●入力は最大100万トークン、出力は6万4千トークンまで。テキスト・画像・音声・動画を受け付ける
- ●Gemini 3.5 Flash-Lite — 入力0.30ドル/出力2.50ドル。毎秒350トークンを出力する速度重視のモデル
- ●Gemini 3.5 Flash Cyber — ソフトウェアの脆弱性を見つけて直す用途。政府機関と信頼できるパートナーへの限定パイロットのみで、一般公開されない
使える場所は、Gemini アプリ、開発者向けの Gemini API(Google AI Studio、Android Studio)、Gemini Enterprise Agent Platform、Google Antigravity。Google 検索へも順次展開されるとしています。なお「Gemini 3.5 Pro」はパートナーとのテスト段階で、一般提供の時期は示されていません。
もうひとつ、Google は「Gemini 4 に向けて、これまでで最も野心的な事前学習を開始した」と発表文に書いています。時期や性能には触れていないので、現時点で分かるのは「訓練が始まった」ということだけです。

業務での使いどころ
「出力トークン17%減」は、読み手にとっては「同じことを聞いても、返ってくる文章が短くなる」という変化です。前置きや言い換えが減るぶん、要点にたどり着くまでの読み時間が短くなります。API を使っている場合は、出力トークンがそのまま課金額なので、単価の引き下げと合わせてコストに直接効いてきます。
- ●向く仕事:長い資料の読み込みと要約、社内文書のたたき台づくり、表や画像が混ざった資料の整理、コードの修正
- ●向かない仕事:2026年3月より後の出来事を前提にした調べもの。学習データがそこで止まっているため、最新の制度改正や相場は答えられない
- ●Flash-Lite が向く仕事:大量の問い合わせを1件ずつさばくような、量が多くて1件あたりは軽い処理
入力が100万トークンまで入るので、契約書や仕様書のような長い資料をまるごと渡す使い方が現実的です。ただし丸ごと渡すほど、AIが「どこを見ればいいか」を見失いやすくなります。読ませる範囲と出したい形を指定してください。
添付した資料を読んで、次の形式でまとめてください。 【この資料の目的】1文で 【決まっていること】箇条書き。資料に書いてある内容だけ 【まだ決まっていないこと】箇条書き 【自分が確認すべき点】3つまで。なぜ確認が必要かも一言で 条件: ・資料に書かれていないことは補わないでください ・数字と日付は、資料のどのページ・どの項目に書いてあるかを併記してください ・判断できない箇所は[資料に記載なし]と書いてください
「どのページに書いてあるか併記」を入れておくと、後から自分で原文を突き合わせられます。要約だけ受け取ると、合っているかを確かめる手段がなくなります。
試すときに気をつけること
発表されている数字は、日本語の業務文書で測ったものではありません
「出力トークン17%削減」は Artificial Analysis Index という外部指標にもとづく数字で、日本語の社内文書や業界特有の用語を含む資料で測った値ではありません。自社の実際の資料で、前と同じ質問を投げて出力を見比べるのが確実です。料金も、記載しているのは API を直接使う場合の単価です。
- ●知識の更新が2026年3月までなので、それ以降の制度・料金・製品情報は自分で調べて渡す
- ●Flash Cyber は政府機関と限定パートナー向けで、一般の会社は使えない。名前が似ているので混同しない
- ●モデルが切り替わると、これまで使っていた指示文の出力が変わることがある。定型業務で使っている指示文は、一度出力を確認してから継続する
- ●社外に出せない資料を読ませる前に、社内の情報の扱いルールを確認する
出典
この記事に関連するレシピ
「モデル刷新」の業務を生成AIで進める手順を、動画で確認できます。
社内で使えるようにしたい方へ
記事の内容を自社の業務に合わせて落とし込む、生成AIの研修も実施しています。 業種・職種に合わせた内容でご相談いただけます。
研修について相談する他のAIニュース
Microsoft 365 Copilotアプリが「Microsoft Copilot」に統合。個人と職場が1つに
Microsoft 365 Copilotアプリが Microsoft Copilot アプリへ統合されます。個人アカウントと職場アカウントの切り替え、URLの変更、情シスが事前に押さえておくことを整理します。
Gemini Notebookに購入済みの本を読ませられる「Expert Intelligence」
Gemini Notebook(旧NotebookLM)に、Google Playブックスで購入した書籍をソースとして追加できる新機能。10万冊超が対象です。社内の学習・資料づくりでの使いどころを整理します。
Gemini 3.5 Transcribeで会議の文字起こしはどこまで変わるか
Googleが発表した音声認識モデル「Gemini 3.5 Transcribe」。言い直しを整えて書き起こす仕組みと、議事録づくりの業務でどこから使えるかを整理しました。
Claude Coworkに内蔵ブラウザ、Claude in Chromeも一般提供。調べ物の任せ方が2択に
AnthropicがClaude Coworkに専用ブラウザを内蔵し、Chrome拡張「Claude in Chrome」も全有料プランで一般提供に。2つの違いと、社内の調査業務での使い分けを整理します。






