Copilot GPT-6 Astraが選べない時──提供状況の確認手順と任せられる仕事

Microsoftが2026年9月4日(米国時間)に、OpenAIの新しいモデル「GPT-6 Astra」をCopilot CoworkとCopilot Studioで選べるようにしたと発表しました。ただし発表文には「提供状況は地域と組織によって異なる場合がある」と書かれており、告知が出たからといって全員の画面にすぐ出るわけではありません。自分の環境で使えるかをどこで確かめるのか、そして実際にどこまでの仕事を任せてよいのかを、業務目線で整理します。
何が変わったか
Microsoftは2026年9月4日(米国時間)、Microsoft 365 Copilot Blogで、OpenAIのGPT-6 Astraが「Copilot CoworkとCopilot Studioで選べるモデルに加わった」と発表しました。Copilot Coworkは、こちらが目的を伝えると複数の手順をまとめて片づけてくれるMicrosoft 365 Copilotの機能、Copilot Studioは自社用のAIエージェント(担当業務を持たせたAI)をつくるためのツールです。どちらも複数のモデルから選んで使う作りになっていて、その選択肢が1つ増えた、というのが今回の内容です。
Microsoftは、仕事を小さく刻んで一手ずつ指示するのではなく、もっと大きなまとまりで任せて、人は結果の確認と判断に時間を使う形に広げられるとしています。また、Work IQという仕組みが、既存のアクセス権限の範囲内でファイル・会議・チャット・業務データにモデルをひもづけるため、回答がより自社の状況に沿ったものになるとしています。
ここで大事なのは提供範囲の書き方です。発表文には「本日よりCopilot CoworkとCopilot Studioの利用者に順次提供」「提供状況は地域と組織によって異なる場合がある」「管理者はMicrosoft 365管理センターで組織の利用可否を管理・設定できる」と書かれています。つまり「発表された」と「自分の画面に出ている」は別の話です。
- ●発表文に書かれていること — 対象はCopilot CoworkとCopilot Studioの利用者/順次提供/地域と組織で異なる/管理者が管理センターで設定できる
- ●発表文に書かれていないこと — 対象ライセンス名、対象の国、対象の言語、全体の提供完了時期
日本で使えるかどうかについては、発表文に国や言語の記載がないため、この発表だけでは確定できません。前提として、Microsoft LearnのCopilot Coworkのドキュメントには、利用条件としてアカウントに割り当てられた有効なMicrosoft 365 Copilotライセンス、環境でCoworkが有効になっていること、使用量ベースの課金とCowork課金が有効になっていることが挙げられています。ライセンスと課金設定を満たしたうえで、なお順次提供の対象に入っていない可能性がある、という二段構えで考えるのが実際に近い状態です。
対象になるプランも整理しておきます。Copilot Coworkの前提条件は、上記のとおり法人向けの有償プランであるMicrosoft 365 Copilotライセンスが割り当てられていることです。サインインするだけで使える無料のCopilotは、この前提条件を満たさないため、今回のモデル選択の対象外になります。さらにCowork側は使用量ベースの課金を有効にしていることも条件に入っているので、ライセンス料とは別に、使った分の費用が乗る前提で考える必要があります。Copilot Studioのほうは、自社でAIエージェントを作って動かす人が対象で、こちらもエージェント側の課金設定の中で動きます。
業務での使いどころ
まずは「自分の環境に来ているか」を見るところからです。触る場所は2つあり、どちらも画面の中にモデルを選ぶところがあります。
- 1Copilot Coworkの場合:m365.cloud.microsoft を開き、上部の「Chat」の横のトグルで「Cowork」を選ぶ。Coworkのホーム画面にある「モデル選択」を開き、選択肢にGPT-6 Astraが並んでいるかを見る
- 2Copilot Studioの場合:対象のエージェントの「概要」ページを開き、「モデル」セクションのドロップダウンを見る
- 3選択肢に出てこない場合:まだ順次提供の途中か、組織側で止まっている可能性がある。情報システム担当(管理者)に、Microsoft 365管理センターでの利用可否設定を確認してもらう
- 4Copilot Studioでプレビュー扱いのモデルを使う場合は、Power Platform管理センターの環境設定で「プレビューおよび実験的なAIモデル」が有効になっているかも合わせて確認する
使える状態だと分かったら、次は任せる仕事の線引きです。Coworkは複数の手順にまたがる作業をまとめて進めるのが前提なので、「調べて、まとめて、形にする」までを一続きで頼めるものが向きます。逆に、判断そのものを預けたい仕事は向きません。頼むときは成果物の形と、どの資料を見て書いたかを必ず出させると、確認の手間が一気に減ります。
- ●向く:先月の売上データと日報から、報告資料のたたき台を作る
- ●向く:過去の議事録をたどって、決まったこと・未決の宿題を一覧にする
- ●向く:問い合わせメールの下書きを、過去のやり取りの言い回しに合わせて作る
- ●向かない:値引き幅や取引条件など、最終的に人が責任を持つ判断
- ●向かない:社外にそのまま出す文面を、人の確認なしで送るところまで任せること
以下の仕事をお願いします。 【やってほしいこと】 (例:先月の売上データと営業日報をもとに、月次報告のたたき台をWordで作る) 【使ってよい資料】 (例:SharePointの「営業共有」フォルダ内の、2026年8月分のファイルのみ) 【成果物】 ・形式:Word / Excel / PowerPoint のどれか(ここで指定) ・分量:A4で2枚程度 【守ってほしいこと】 ・使った資料のファイル名を、該当箇所ごとに文中に書いてください ・資料から読み取れない数字は書かず、[要確認]と書いてください ・推測で補った箇所は、最後に「推測した点」としてまとめてください ・メール送信・会議設定など、外に影響が出る操作は実行前に必ず確認してください
「使ってよい資料」を限定する行と、「読み取れない数字は[要確認]」の行が効きます。範囲を切らずに投げると、関係のない古いファイルまで拾ってもっともらしい数字を書いてしまうことがあります。
試すときに気をつけること
==モデルが出ていなくても、設定ミスとは限りません==
発表文に「順次提供」「地域と組織によって異なる場合がある」と明記されている以上、告知の当日に自分の画面へ出ていないのは普通に起こります。設定を触り回す前に、まず数日おいて選択肢を見直し、それでも出なければ管理者に確認する順番が確実です。日本での提供可否は、この発表文からは確定できません。
- ●課金の形を先に確認する。Coworkの利用条件には使用量ベースの課金とCowork課金を有効にすることが含まれており、使った分だけ費用が乗る前提になっている
- ●Copilot Studioでモデルを選ぶ際は、そのモデルに付いたタグ(一般提供/プレビュー/実験)を必ず見る。プレビュー・実験のモデルは本番業務での利用が推奨されていない
- ●「クロスジオ」と表示されるモデルは、組織の地理的境界の外でデータが処理・保存される場合があるとされている。社外に出せない情報を扱う前に、この表示と社内ルールを突き合わせる
- ●Coworkはメール送信や会議設定などの操作の前に承認を求める作りで、承認なしには実行しないとされている。この確認ダイアログを流し読みで押さない運用にしておく
- ●まずは社外に出ない資料(社内定例の議事録、社内向け報告のたたき台)から試して、固有名詞と数字の精度を自社の材料で確かめる
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