ChatGPT広告の「クリエイティブ強化」をオフにする方法──自動書き換えの範囲と社内の線引き

OpenAIは、ChatGPT広告の「クリエイティブ強化(Creative enhancements)」を、新規・既存のキャンペーンで既定オンにすると広告主に告知しました。オンの状態では、入稿した見出しや説明文がAIで書き換えられたり、別の言語に翻訳されたり、リンク先URLが自社サイト内の別ページに変わったりした広告が、1本ずつの承認なしで配信されることがあります。ChatGPT広告を出している、または出す予定の会社向けに、Ads Managerでオフにする手順と、オンのまま使うなら社内で決めておくべき線引きをまとめます。
何が変わったか
クリエイティブ強化は、広告を会話の内容や利用者の関心に合わせるために、入稿した広告とリンク先ページの中身をもとにAIが広告を手直しする機能です。OpenAIの公式ヘルプと報道によると、手直しの対象は次の4つです。
- ●見出し・説明文:会話に合わせて書き換える、または新しく書く
- ●翻訳:広告の文章を別の言語に翻訳する
- ●画像:広告の枠に合うようにサイズを変える
- ●リンク先URL:自社サイト内の、より関連があると判断したページに変える
手直しした広告は、事前に作られることもあれば、会話の最中にその場で作られることもあるとされています。そして公式ヘルプは、オンの状態では1本ずつ確認・承認しなくても配信されること、すべてのバージョンのプレビューは出ないことを明記しています。
開始日は資料によって食い違っています。米国時間2026年10月20日の広告主向けメールでは10月30日、翌21日に報道機関が確認した公式ヘルプでは10月29日と書かれており、その後ヘルプの記載が変わったという報道もあります。本記事では10月下旬に既定オンになった、とだけ書きます。
対象は、ChatGPT広告をAds Manager(広告の管理画面)で出している広告主のアカウントです。ChatGPTを使う側の料金プランとは関係ありません。Ads Manager自体は、公式ヘルプの国別一覧で日本が「Available(利用可能)」になっています(2026年9月4日に確認)。ただし、日本のアカウントにも既定オンが適用されるかは、発表文に記載なしです。国や言語を限定するという記載も、日本を対象にするという記載もありません。日本から出稿している場合は、自分の管理画面の設定を直接見て確かめてください。
業務での使いどころ
この機能は、新しく何かができるようになる話ではありません。「止めるか、オンのまま使うか」を社内で決める話です。判断の目安は次のとおりです。
- ●止めたほうがいい広告:価格・割引率・期間限定などの数字が入っている、医療・健康食品・金融など表現の決まりが厳しい商材、リンク先を申込フォームや特定のキャンペーンページに固定したい
- ●オンでも困りにくい広告:会社や事業の認知が目的で、数字や条件を含まない、リンク先がトップページなどどこに飛んでも問題ない
止める手順は、報道によると次のとおりです。画面の文言は英語表記で報じられており、日本語表示の画面で同じ名前かどうかは確認できていません。
- 1Ads Managerを開き、設定(Settings)の画面に入る。設定まわりは「Beta」表示になっていると報じられている
- 2「Creative enhancement」のカードを探す。既定では「On」になっている
- 3トグルをオフにする。アカウント単位の設定が全キャンペーンの既定値になる
- 4キャンペーンごとに変えたい場合は、キャンペーン単位で設定する。キャンペーン単位の設定はアカウント単位の設定より優先される
報道によると、設定は4種類(文章・翻訳・画像・URL)をまとめて1つで切り替える形で、「翻訳だけ止める」といった個別の設定はありません。以前からオフにしていた場合、その設定は引き継がれるとされています。
オンのまま使う場合は、入稿する前に「書き換えられても崩れない広告か」を確かめておくと安心です。次のプロンプトで、自社の広告文から書き換えで崩れやすい箇所を洗い出せます。
以下は当社が出稿する広告の見出し・説明文と、リンク先ページの要点です。 この広告は、配信時にAIが見出しや説明文を書き換えたり、別の言語に翻訳したり、リンク先を当社サイト内の別ページに変えたりすることがあります。 次の観点で、書き換えられると問題になりうる箇所を表にしてください。 1. 価格・割引率・期間・数量など、少しでも変わると誤解を招く数字や条件 2. 「最安」「No.1」「必ず」など、根拠の説明が必要になる言い回し 3. 注意書き(税込/税抜、条件付き、対象外の地域など)が外れると誤解を招く箇所 4. 社名・商品名・登録商標など、表記を変えてはいけない語 5. 別のページに飛ぶと、広告の内容と食い違うおそれがあるリンク先 ・表の列は「箇所」「リスクの内容」「対策(広告文の直し方、またはクリエイティブ強化をオフにすべきか)」にしてください ・判断できない点は推測せず[要確認]と書いてください --- 広告の見出し --- (ここに貼り付け) --- 広告の説明文 --- (ここに貼り付け) --- リンク先ページの要点 --- (ここに貼り付け)
AIの指摘はあくまで下書きです。最終判断は、広告の表現を普段チェックしている担当者が行ってください。
試すときに気をつけること
==書き換えられた広告も、自社の広告として表示される==
書き換えや翻訳をしたのがAIでも、利用者から見れば広告主が出した広告です。日本の景品表示法でも、表示の内容は広告を出す事業者が責任を負うのが基本です。価格や条件が入った広告、表現の決まりが厳しい商材は、「AIが変えた表現まで社内で責任を持てるか」で判断し、持てないならオフにするのが無難です。
- ●配信されたバージョンをすべて事前に見ることはできない:公式ヘルプも、すべてのバージョンのプレビューは出ないと書いている。報道によると、どのバージョンがどれだけ表示されたかを分けて見るレポートもない
- ●オフにしても、すでに配信されたものは取り消せない:報道によると、オフにして止まるのはこれから先の手直し
- ●リンク先URLが変わったとき、計測用のパラメーター(UTMタグ)が残るかは公式に説明されていない:アクセス解析で広告の効果を測っている場合は、オンにしたキャンペーンの数字を慎重に見る
- ●効果の比べ方:公式ヘルプは、時間の経過による変化だけでは強化の効果とは言えないとしている。比べるなら、同じ期間にオンとオフのキャンペーンを並べる
- ●日本の画面で設定項目が見当たらない場合:日本のアカウントへの適用や画面の表記は確認できていない。設定の画面とキャンペーンごとの設定の両方を見て、無ければOpenAIのヘルプで最新の記載を確かめる
出典
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