Claude Enterprise、誰がいくら使ったかが管理画面で見えるようになった

Anthropicが2026年7月2日、Claude Enterprise の管理者向けに、分析ダッシュボードとコスト管理の新機能を発表しました。グループ別・ユーザー別に「誰が、何に、いくら使ったか」が管理画面から見えるようになり、上限額に近づくと管理者と本人の両方に通知が届きます。AIを部署に配ったあとで必ず出てくる「で、これいくらかかってるの」への回答にあたる機能です。対象は Enterprise プランのみなので、まず自社が対象かどうかから確認が必要です。
何が変わったか
管理者向けの分析ダッシュボードが強化され、これまで「組織全体でいくら」しか分からなかったものが、グループ単位・個人単位まで分解して見えるようになりました。あわせて、使えるモデルを管理者側で決める設定と、支出が上限に近づいたときのアラートが追加されています。
- ●分析ダッシュボードで、グループ別・ユーザー別の利用状況とコストを表示。作成されたArtifact、編集されたファイル、使われたスキル・コネクタも費用と並べて見られる
- ●SCIM連携のグループで絞り込めるので、既存の組織構成そのままで部署別に見られる
- ●Claude Code 向けに2つのタブが追加。「Usage」は組織全体のアクティブな開発者数・セッション数・よく使われたコマンドを日次更新で表示、「Value」はコミット1件あたりのコストや年間の価値を、計算式を開示したうえで見せる
- ●「Analytics Chat」で、『今月Claudeの利用が倍になったチームはどこか』のように自然文で質問でき、出てきたグラフを書き出せる
- ●「Analytics API」を公開。期間・チーム・プロダクト・モデルで絞って、利用量とコストのデータを外部ツールに取り込める。スキルの利用状況・コストやプラグインの普及状況も取得できる
- ●支出アラート。管理者には組織の支出上限の75%と90%で通知。利用者本人にはアプリ内で75%と95%で通知が出て、その場から上限引き上げを申請できる
- ●モデルの既定値と権限の設定。チャット・Cowork・Claude Code それぞれの既定モデルを管理者が指定でき、役割ごと/組織全体で使えるモデルを絞れる
- ●利用者本人も、自分のコスト、プロダクト別・モデル別の内訳、上限に対する消化状況を確認できる
- ●対象は Claude Enterprise プラン
ポイントは、コストが「請求書が来てから分かるもの」から「毎日見えるもの」に変わったことです。加えて Analytics API があるので、経理側のスプレッドシートやBIツールに数字を流し込んで、部署別の配賦や月次の報告に組み込むところまで見えています。

業務での使いどころ
この機能が効くのは「AIを導入したあとの説明責任」がある立場です。逆に、AIで何かの作業を速くしたい人には直接関係しません。
- ●向く仕事:情シス・管理部門が、部署別の利用額を出して予算配分や社内配賦を決める
- ●向く仕事:経営に「今月いくら使って、何に使われたか」を数字で報告する
- ●向く仕事:契約したのに使われていない部署を見つけて、研修やフォローの対象を決める
- ●向かない仕事:個人の成績評価。誰がどれだけ使ったかは見えますが、使用量の多さは成果の大きさではありません
- ●向かない仕事:Team・Pro・Max プランでの利用状況の把握。今回の機能は Enterprise プラン向けです
実務としては、ダッシュボードを毎日眺めるのではなく、月に1度データを書き出して報告の形に整えるのが現実的です。ここはAIに任せられます。
- 1管理画面から、対象月の部署別・個人別の利用量とコストを書き出す(またはAnalytics APIで取得する)
- 2個人名は社内で共有してよい範囲か確認し、必要なら部署単位に丸めてから使う
- 3書き出したデータを Claude や ChatGPT に渡し、下のプロンプトで報告文の形に整えさせる
- 4出てきた数字を、元データと1つずつ突き合わせて確認する
- 5使われていない部署が見つかったら、次の月のフォロー対象として決める
以下は、社内で契約している生成AIの、当月の部署別・ユーザー別の利用量とコストのデータです。 経営会議に出す月次報告として、次の構成で整理してください。 1. 当月の総額と、前月比(増減額と増減率) 2. 金額の大きい部署 上位3つと、それぞれ何に使われていたか 3. 利用がほとんど無い部署(金額が下位のもの)と、その部署名 4. 来月に向けての判断材料(増えている理由・減っている理由のうち、データから読み取れるものだけ) 条件: ・データに無い数字を推測で補わないでください。分からない項目は「データなし」と書いてください ・原因を断定せず、データから言えることと、確認が必要なことを分けて書いてください ・1つの表と、300字以内の要約文の形にしてください --- データここから --- (ここに貼り付け)
「データに無い数字を推測で補わない」「原因を断定しない」の2行を必ず入れてください。これが無いと、AIが利用が減った理由をもっともらしく作文して、そのまま報告書に載ってしまいます。
試すときに気をつけること
個人別に見えることは、そのまま社内に出してよいこととは別です
ユーザー別の利用状況とコストが管理者から見えるようになりました。これは費用を管理するための機能ですが、運用を決めずに個人別の数字を社内で共有すると、「使うと見られる」という空気ができて利用そのものが止まります。誰がどこまで見られるのか、どの単位で共有するのかを、機能を有効にする前に決めておいてください。
- ●対象は Claude Enterprise プラン。自社の契約プランを先に確認する
- ●支出アラートの75%・90%(利用者本人は75%・95%)は、組織の支出上限に対する割合。まず上限額そのものを決めないとアラートは機能しない
- ●利用者本人はアラートから上限の引き上げを申請できる。誰がその申請を承認するかを決めておく
- ●Claude Code の「Value」タブが出すコミット1件あたりのコストや年間の価値は推定値。計算式が開示されているので、社外に出す資料に使う前に前提を確認する
- ●書き出したデータを外部のAIに貼る場合、部署名・氏名・プロジェクト名が含まれることがある。社内の情報の扱いルールを先に確認する
出典
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