会話で直せる動画生成「Gemini Omni Flash」公開プレビュー、10秒・1秒0.10ドルで何ができるか

Googleが2026年7月1日(米国時間)、動画生成・編集モデル「Gemini Omni Flash」を公開プレビューとして提供開始しました。テキストや画像から動画を作れるだけでなく、出来上がった動画に対して「ライティングを変えて」「アングルを変えて」と自然言語で指示して直せるのが特徴です。料金は動画出力1秒あたり0.10ドル、発表時点で1回に作れるのは10秒までです。短い動画を何度も作り直す使い方を前提に、自社のどの仕事なら合うかを見ていきます。
何が変わったか
Gemini Omni Flash は、テキスト・画像・動画の入力を組み合わせて動画を作り、そのまま会話で編集できるモデルです。これまでの動画生成は「気に入らなければプロンプトを書き直して作り直す」でしたが、作った動画を残したまま部分的に直せるようになりました。
- ●料金は動画出力1秒あたり0.10ドル(10秒でおよそ1ドル)。Google は Veo 3.1 Fast と同額と説明している
- ●発表時点で1回に生成できるのは10秒。より長い尺は「近日提供」とされていた
- ●すべての動画出力に音声がネイティブで生成される
- ●会話型編集では、元の音声トラックと動画トラックを維持したまま、キャラクターの入れ替え・ライティングの再調整・アングルの変更ができる
- ●提供先は Google AI Studio、Gemini API、Gemini Enterprise Agent Platform。Gemini アプリと Google Flow でも利用できる
- ●発表時点で未提供の機能は、音声参照・動画参照・最終フレーム指定・シーン拡張・高解像度(いずれも「近日提供」)
なお、この「近日提供」とされていた部分は、2026年8月27日に発表された後継の Gemini Omni 1.1 Flash で埋まりました。10秒ずつ足して累計40秒まで延ばせるシーン拡張、下書き用の360p(生成が最大60%速く、コストは3分の1)、1080p・4Kへのアップスケール、開始フレームと終了フレームの指定、3秒までの動画参照が追加されています。

業務での使いどころ
10秒という長さが、そのまま使いどころの線引きになります。1本で完結する短い動画か、長い動画の一部として差し込むカットか。このどちらかに当てはまる仕事が候補です。
- ●向く:SNSや店頭サイネージに出す数秒の訴求カット、提案書に貼るイメージ動画、企画のたたき(絵コンテ代わりに動かして見せる)、既存動画のつなぎカット
- ●向かない:数分の商品説明やマニュアル動画をまるごと作ること、自社の実在の商品・店舗・社員を正確に写すこと、決まった原稿を正確に読み上げさせるナレーション
「正確に写す」用途が向かないのは、生成AIの動画が実物の形や文字を再現できるとは限らないためです。実物を見せたい場面は撮影した素材を使い、雰囲気・イメージを見せたい場面に生成動画を充てる、という切り分けが現実的です。
- 1作りたい10秒を1文で決める(誰が・どこで・何をしている・どんな雰囲気か)
- 2まず1本生成して、直したい点を1つだけ書き出す
- 3「ここだけ直して」と会話で指示し、直った分だけ確認する
- 4OKになったら、社外に出す前に人が最終チェックする(文字・商品の形・人物の見え方)
【1回目:生成の指示】 10秒の動画を作ってください。 ・被写体:(例:木のテーブルに置かれた白いマグカップ) ・動き:(例:湯気がゆっくり立ちのぼり、カメラが少しだけ寄る) ・場所と時間帯:(例:朝の窓際、自然光) ・雰囲気:(例:落ち着いた、生活感のある) ・画面比率:16:9(SNS縦型なら9:16) ・画面に文字は入れないでください 【2回目以降:直しの指示】 今の動画から、次の1点だけ直してください。他は変えないでください。 →(例:光をもう少し暖かくして、影を弱くしてください)
直しの指示は「1回に1点だけ」「他は変えない」と書くのがコツです。まとめて何点も頼むと、直してほしくなかった部分まで変わり、確認の手間が増えます。
試すときに気をつけること
プレビュー版であること、そして作り直した分だけ課金されること
公開プレビューは仕様や料金が変わりうる段階です。料金は「動画出力1秒あたり0.10ドル」なので、気に入るまで作り直せばその都度出力の分だけ費用がかかります。10秒=約1ドルを目安に、1本あたり何回まで直すかを先に決めておくと予算が読めます。
- ●社外に出す動画は、実在の他社商品・ロゴ・著名人に似ていないかを人が確認してから公開する
- ●画面に入る文字(値段・店名・日付)は生成に任せず、後から編集ソフトで載せる方が確実
- ●音声は自動で付くが、発表時点では音声参照が用意されていないため、読み上げ内容を細かく指定する使い方には向かない
- ●業務で使う素材を入れる前に、社内の情報の取り扱いルールを確認する
出典
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