Copilot Notebooksがmd・txt・rtfに対応──議事録テキストを変換せず読み込む使い方と注意点

Microsoftは2026年8月13日(米国時間)、AIノートブック「Copilot Notebooks」が Markdown(.md)、プレーンテキスト(.txt)、リッチテキスト(.rtf)のファイルを参照ソースとして扱えるようになったと発表しました。会議の文字起こしや問い合わせ履歴のように、Wordに整えていない生のテキストをそのまま置いて質問できるということです。業務のどこが楽になるのか、そして権限とファイルの扱いで何を確認しておくべきかを整理します。
何が変わったか
Copilot Notebooks は、資料やリンク、Copilotとのチャット内容などを1つの「ノートブック(作業用の束)」にまとめ、そこに入れたものを根拠にCopilotへ質問できる機能です。今回のアップデートで、この参照ソースとして Markdown(.md/見出しや箇条書きを記号で書いたテキスト)、プレーンテキスト(.txt/書式のない素のテキスト)、リッチテキスト(.rtf)を追加できるようになりました。
Microsoftは発表の中で、READMEやプロジェクトのWiki、システムログ、会議の書き起こし、各種エクスポートなど「整った文書になっていない情報」を想定例として挙げています。ログを整形し直したり、書き起こしを一度Word文書に変換したり、長いREADMEを自分で要約してから渡したりする必要はない、としています。
- ●追加されたのは .md / .txt / .rtf の3形式
- ●発表は米国時間2026年8月13日。同じ週から、すべての Copilot Notebooks ユーザーへ展開が始まると案内されている
- ●Microsoftのサポートページに載っている参照ソースの対応形式は、.docx / .pptx / .xlsx / .pdf / .loop / .page / .txt / .rtf と OneNote のページ
- ●今後も持ち込めるコンテンツの種類を広げていく、と説明されている
つまり「AIが読める資料の形」に人間が合わせる工程を1つ減らす、という種類の更新です。派手さはありませんが、テキストのまま溜まっている情報が多い職場ほど効きます。
業務での使いどころ
Microsoftの挙げる例はREADMEやシステムログなど開発寄りですが、中小企業の実務で効くのは別のところです。テキストのまま溜まっていて、これまで「AIに読ませるには貼り直しが必要」だったものが対象になります。
- ●向く仕事:会議の文字起こし(Web会議ツールから .txt で書き出したもの)、問い合わせ・クレーム履歴のテキスト書き出し、アンケートの自由記述、日報や作業メモ、社内手順書
- ●向く使い方:複数のファイルをまとめて置いて、横断で聞く(例:3か月分の問い合わせテキストを入れて傾向を聞く)
- ●向かない仕事:数字を正確に集計する作業。件数や金額の集計は表計算側でやり、Copilotには傾向の言語化を任せる
- ●向かない状況:社外秘の度合いが判断できていないファイル(後述の権限の話を先に片付ける)
- 1Copilotアプリ(またはOneNote)でノートブックを開き、参照を追加するパネルを開く
- 2.txt や .md のファイルをアップロード、またはOneDriveから選ぶ(ドラッグ&ドロップでも追加できる)
- 3関連する資料をまとめて入れる(例:問い合わせ履歴のテキスト+自社のFAQ文書)
- 4ノートブックのチャットで質問する
- 5回答に付く出典(引用)から、元のファイルのどこを根拠にしたかを確認する
このノートブックに入れた問い合わせ履歴のテキストだけを根拠に、次を整理してください。 1. 問い合わせの多いテーマを上位5つ(それぞれ、何に困っているかを1文で) 2. 最近になって出てきたと思われるテーマ(いつごろから見られるかも書く) 3. FAQやマニュアルの追加・修正で減らせそうなもの 4. 人が対応しないと解決しないもの ・件数は「◯件」と断定せず、多い/少ないの傾向で書いてください ・ファイルに書かれていない原因の推測は、[推測]と明記してください ・各項目に、根拠にした問い合わせの引用を1つずつ付けてください
「件数を断定させない」「推測には印を付けさせる」の2行が実務では効きます。テキストを丸ごと読ませると、AIは数を数えたつもりで概数を書いてくることがあります。集計値として使うなら、必ず元データ側で数え直してください。
このノートブックに入れた会議の文字起こし(テキストファイル)から、次の4点にまとめてください。 1. 決定事項(決まったことだけ。検討段階のものは入れない) 2. 宿題(誰が・何を・いつまでに) 3. 保留になった論点(なぜ保留かも一言で) 4. 次回までに確認が必要なこと ・発言に無い内容を補わないでください ・聞き取れていないと思われる箇所は[要確認]と書いてください ・社名・人名・製品名は、文字起こしの表記のまま残してください
文字起こしは誤変換が残ります。固有名詞を勝手に直させないほうが、後から人が確認するときに間違いを見つけやすくなります。
試すときに気をつけること
ノートブックの共有は、中のファイルの共有につながることがある
Microsoftのサポートページ(ノートブックのよくある質問)では、ノートブックを共有すると、ノートブック自体だけでなく、その中のファイルに対する相手のアクセス権も付与され得ると説明されています。手元で試すぶんには自分の権限の範囲ですが、チームに共有する段階で「そのファイルをその人に見せてよいか」が別途発生します。人事評価や取引条件のような、部署をまたいで見せられないテキストを混ぜたノートブックは共有しない、と決めておくのが安全です。
- ●Copilotが使うのは、参照として追加され、かつ本人にアクセス権があるサイト・フォルダー・ファイルの内容だけ、とMicrosoftは説明している。アクセス権のない資料が勝手に読まれるわけではない
- ●参照の数には上限がある。Microsoft Copilot ユーザーは300を超えて追加できるが、回答の根拠に使われるのは最初の300件まで。Copilot Chat ユーザーは最大50件で、50件すべてが根拠に使われる
- ●テキストは書式が無いぶん、話者名やタイムスタンプが書き出しに含まれているかを、入れる前に一度開いて確認する(含まれていないと「誰が言ったか」を答えられない)
- ●問い合わせ履歴やログには、氏名・電話番号・メールアドレスがそのまま残っていることが多い。社内の個人情報の取り扱いルールに照らして、入れる前に伏せるかどうかを決める
- ●展開は順次のため、画面にまだ出ていないことがある。その場合は日を置いて確認する
最初の一歩としては、外に出ない社内定例の文字起こしを1本だけ入れて、上のプロンプトで議事録が実用になるかを見るのが早いです。そこで手応えがあれば、問い合わせ履歴のように件数の多いテキストに広げる、という順番をおすすめします。
出典
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